【初心者必見】星景写真のレンズの選び方【結論20mm】
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こんにちは、モトセ・マヒロ(@atelier_mahiro)です。
この記事では
- 初めての星景写真に必要なレンズを知りたい
- 星景撮影用のレンズ選びに失敗したくない
- 何mmのレンズ買うのが正解なんだろう?
という疑問について自身の撮影経験をもとに解説します。
記事を読むことで、初めての星景写真におすすめの1本が分かります。
まずは結論です。
初めて星景写真にチャレンジするなら20mmの明るい広角レンズを買いましょう!
深掘り解説をします。
星景写真は20mmの明るい広角レンズを選びましょう
一般的に明るいレンズは開放F値がF2.8以下のものを指します。
焦点距離は14mmの超広角レンズじゃなくていいのかと思われたかも知れませんが大丈夫です。個人的には20mmをおすすめします。
「レンズの焦点距離別にどんなものが撮れるか」をまとめたツイートがあるのでご覧ください。
【広角】焦点距離別単焦点レンズまとめ
•20mm以下→肉眼越えた広さを体感できる。vlogにちょうどいい
•20mm→程よい距離感で星景•風景が撮れる。自撮りするならこの辺が限界。
•24〜28mm→全体の状況をマルっと写せる。自撮りだと狭く感じる。
•35mm→スナップで主題副題を分かりやすく撮影できる— モトセ・マヒロ@Youtube (@atelier_mahiro) July 3, 2022
20mmの明るい広角レンズをおすすめする理由は次の3つです。
- その1:撮影の成功率が上がる
- その2:天の川がちょうどいいサイズで撮れる
- その3:普段の撮影にも使える
順に解説をします。
星景写真では綺麗に撮るより「失敗しない」が大事
その1:撮影の成功率が上がるについてです。
これが星景写真においては最重要項目だと私は考えます。
しっかり撮れている星景写真は
- 適正露出で撮れていること。
- 星にピントが合っていること
- 星が「点」で撮れていること。
この3つができている写真です。
適正露出はヒストグラムの中心よりやや左(シャドウ側)寄りに山があるのが理想です。黒つぶれすると、現像するときにデータが破綻してしまいます。
星にピントが合っていることは言うまでもなく重要です。
撮影するときはマニュアルでピントを合わせるので、ピントがズレてしまうと星がぼやけて主題が微妙な印象になってしまいます。
最後に星が点で撮れていること。
星が線になっていたり、ブレたりすると画像編集でも修正できません。
星空は写真1枚の中を占める面積が他の風景写真に比べて大きいので、この辺りは細心の注意を払いましょう。
以上の観点から「綺麗に星を撮る」よりも「失敗しない写真を撮る」ことが大切ということを解説しました。これらの条件を満たすことができれば、撮影後に画像編集ソフトで綺麗にレタッチをすることが可能です。
結果的に綺麗な星空の写真が仕上がります。
星景写真を成功させる方程式は存在する
せっかく撮影に行ったのに「なんか上手く撮れなかった…」となるのは悲しいですよね。
星景写真は暗闇で撮るので長秒露光が必須です。
この時にF値が明るければ、その分露光時間を少なくすることができたり、ISO感度を抑えたりすることができます。
露光時間とISO感度を抑えるとノイズが減らせます。なので写真が綺麗に写ります。
また、明るいとその分星もたくさん写ります。
F4のレンズでも星自体は写りますが、F2.8のレンズに比べたら写真に写せる星の数は少なくなります。
星景写真において明るさはとても重要です。
そして20mmという画角についてです。
実は星景写真で長秒露光できる時間は公式で決まっています。
- 250mm ÷ 焦点距離(フルサイズ換算) = 星が点で写る上限のシャッタースピード(秒)
有名な公式なのでぜひ覚えておきましょう。
※「500mm ÷ 焦点距離」という公式で書かれている本もありますが、今までの撮影経験上500mmで計算した時間で撮影すると星が点で写らないことがありました。
250ルール、500ルールという公式両方が存在しますが、あくまで目安ということを念頭においてください。
星は思った以上に早く動いているので、
「暗いからとりあえず30秒シャッターを開いて明るく撮る」みたいにしてしまうと星が線になって失敗します。
上の公式は失敗しないために、長秒露光の上限時間を割り出すための指標として使われています。
なので、20mmのレンズを使うとすると
- 250mm ÷ 20mm = 12.5秒
よって理論上は12.5秒までだったら星が点で写ってくれることになります。
ただし、あくまで理論上の話で実際は撮影時に微調整が必要です。
私はよく10〜12秒くらいで撮影しています。
また20mmは14mm等と比べて歪曲収差を抑えやすいです。
16mm→15mm→14mmとなっていくにつれて、超広角レンズ特有の収差は出やすくなります。
その点、20mmは広角レンズの中でも収差を抑えやすい絶妙なポジションにいます。
また、20mmの単焦点レンズは各メーカー星を撮ることを想定して
開発している場合が多いので優秀なレンズが多いのも理由の1つです。
星景レンズ選びに悩む理由は天の川を綺麗に撮りたいから
先ほどは綺麗に撮るよりも、まずは失敗しない撮影をすることが大事ということを書きました。とはいえ、せっかく撮るのだから構図をしっかりキメて美しい写真にしたいと思うのは自然なことです。
20mmの広角レンズはその2:天の川がちょうどいいサイズで撮れるので魅力的です。
星景写真を撮りたい動機の1つが「天の川を撮影したいから」ではないでしょうか。
私もきっかけは天の川を撮りたいからでした。
下で紹介しているのは、私が初めて天の川を撮影した時のタイムラプスの映像です。
・本栖湖にある浩庵キャンプ場で撮影した富士山と天の川の映像
この時が初めての星景写真撮影でした。天の川全体をおさめたい一心で14mmで撮影をしました。そして後で写真を確認して思ったのが「天の川写ってるけどサイズが小さい」ということです。
写っていることに感動を覚えつつ、もう少し大きく写ってくれたら嬉しいなという感情がありました。実はこのタイムラプスも14mmで撮影しつつ、編集時に少々トリミングしてます。タイムラプスなので画面に動きが出ているけれども、これが1枚写真だと少しインパクトに欠けてたかもしれません。
その点、天の川をちょうどいいサイズで写すために20mmは最適です。
大きすぎず、小さすぎず、他の景色もバランスよく写すには20mmが使いやすい。
これも24mm→28mm→ 35mmとなるにつれて天の川はダイナミックになりますが、
天の川全体を入れるのが難しくなってくるのと、構図の難易度も上がってきます。
上手な方は28mm、35mm、50mmで撮影されたりしていますが、初めて撮影をするのであれば20mmが使いやすいです。
20mmのレンズを選ぶと星景写真だけでなく日常使いもしやすい
その3:普段使いにもしやすい
レンズの使いやすさといえば、普段の撮影にも使いやすいかは重要ですよね。
せっかく買うなら星景写真以外にも用途があった方がいいです。
20mmはスナップやテーブルフォト、日中の風景写真でも幅広く活躍することができます。
画角にそこまでクセがないので、普段使いできるところもいいですね。
14mmクラスになると出目金レンズ(一番前のレンズが丸く飛び出ている)になり、
レンズフィルターが取り付けられないといった悩みが出てきますが、20mmのレンズはそういった心配はありません。汎用性が高いのも魅力です。
星景写真のレンズは単焦点とズームレンズどっちを選ぶべきか
星景写真のレンズで20mmを選ぶとしたら、単焦点レンズとズームレンズどっちがいいのかという疑問が出てくるかもしれないのでお答えします。
答えは単焦点レンズの方がおすすめです。
というのも、20mmをカバーしているF2.8以下のズームレンズとなると選択肢が少なく、いきなり大三元レンズになってしまうからです。大三元ズームレンズはどのメーカーも価格は30万円前後。初めて星景写真を撮るのにそこまで予算はない…という方も多いはず。
これに対して例えば20mm/f1.8等の単焦点レンズは大三元レンズの半額くらいで買えます。
サードパーティ製レンズで探すと10万以下で買えたりします。また、単焦点レンズの方がズームレンズよりも明るくて軽量コンパクトです。星景写真を撮るときは三脚もいるので、荷物を考えるとレンズは軽い方が便利だと思います。
ただし、長い目で見るならF2.8通しの大三元超広角レンズは選択肢に入れていいと思います。
超広角レンズは1mmの差が結構大きいです。14mmと20mmとでは写る画角が全然違ってきます。また、この超広角レンズは使って初めてその画角の広さを体感できます。長く写真を続けるのであれば、レンズの画角を経験する意味でも使う価値はあると思います。
加えて星景写真を撮る場合、撮影場所が選り好みできないケースもあるので、ズームで画角の微調整ができるのは強みです。
私は星景写真を始める時に自分で画角調整ができる方がいいと思い、いきなり大三元レンズを購入しました。購入して2年以上経過しますが、一度も大きな失敗をしたことがありません。
高かったですが、圧倒的な描写性能・使いやすさにとても満足しています。
いかがでしたでしょうか。
今回は星景写真をこれから始める方向けに20mmのレンズ解説をしてきました。
暗所の撮影は機材のスペックが大きく影響するところなので、率直な考えを書かせていただきました。
初めて自分で星が撮れた時は感動します。
ぜひご自身にあった1本を購入して、スマホでは撮れない美しい景色を体感してください。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
他にも「これから一眼カメラを始めてみようかな」という方向けの記事を書いています。もしよかったら、こちらも参考にしてみてください。
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