【初心者向け】図解で分かりやすい!カメラ写真用語集
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こんにちは、モトセ・マヒロ(@atelier_mahiro)です。
今回は
- 初めてカメラを買ったものの専門用語が分からない
- 今さら写真用語が聞けない
- あのカメラ用語の意味忘れた
といった方向けに用語解説のまとめ記事を書きました。
今回記事を書くきっかけになったツイートです。
写真は楽しむことが超重要。
せっかく高いカメラ買ったのに、使い方が分からなかったり、自分は芸術的センスがないって決めつけて辞めてしまうのは勿体ない。初心者はカメラやレンズの特性を少し知るだけで表現の幅が一気に拡がるから、カメラ用語と一緒にどんな写真が撮れるかも一緒に知ってほしい。— モトセ・マヒロ@ブログ×写真 (@atelier_mahiro) October 20, 2022
カメラってたくさん機能が詰め込まれている一方で、扱い方はユーザ次第なところがあり、買ったものの「買った後の放り出された感」が初心者的にきついところでもあります。
私自身カメラを初めて買ったときから、分からないことはその都度調べてきましたが、
用語説明を読んでも結局どういう写真が撮れるか分からない…といった悩みを抱えることもありました。
この記事を読むことで、カメラの基本的な写真・カメラ用語を覚えることができます。
ほぼ全ての用語で「どんな写真が撮れるか」作例も載せているので、参考にしてください。
分からない用語があったときはこのページを辞書代わりに使ってください。用語をクリックするとその説明欄まで移動します。
カメラ・写真用語一覧(目次)
【あ行】
- 明るいレンズ
- アスペクト比
- アングル
- ISO感度(いそ感度/あいえすおー感度)
- 一眼レフカメラ(レフ機)
- イメージセンサー(撮像素子)
- 1インチ(センサー)
- AF方式(AF-S・AF-C・AF-F)
- F値(えふ値・絞り)
- APS-C(えーぴーえすしーセンサー)
- AF(オートフォーカス)
【か行】
【さ行】
【た行】
【は行】
【ま行】
【ら行】
※ページ内の用語リストは随時追加・更新します。
カメラ・レンズ・写真関連の基本用語
一眼レフカメラ(レフ機)
フィルム時代から採用されてきた機構のカメラです。
カメラの中にレフ板という反射鏡があり、レンズから通ってきた光をペンタプリズムで反射させた像をファインダーに写しています。歴史が長いので、レンズのラインナップが豊富です。近年ではミラーレスカメラ(ミラーレス一眼)が増えたため、
一眼レフのカメラとレンズの製造はやがて終了するだろうと予想されてますが、まだまだ多くのユーザの信頼と支持を得ています。そこまで古くない機種でも中古価格の良品を効率よく購入できるメリットがあります。
ミラーレスカメラ(ミラーレス一眼)
カメラ内にレフ板がない仕様のカメラです。
その構造上、レンズマウントのすぐ後ろにイメージセンサーが剥き出しになっています。
そのため、一眼レフよりも堅牢性を指摘されることもありました。
しかし、レフ板がない分軽量コンパクトにカメラが作れるため今後はミラーレスカメラが主流になると予想されます。
すでにNikon Z9やEOS R3、SONY a1といった各社プロモデルのカメラにもミラーレスが導入されています。
ミラーレスという仕様を最大限活用して一眼レフ時代には作れなかったレンズも開発されています。
一眼レフに比べて歴史が浅いので、交換レンズの種類が少ないといった問題がありましたが、
近年ではレンズ開発も追いついているので、これからカメラを始める人はミラーレスがおすすめです。
イメージセンサー(撮像素子)
レンズを通った光の情報を読み出すセンサーのことです。
最近のカメラはCMOS(シーモス)センサーというセンサーが使われています。
よくある「このカメラは〇〇万画素で〜」という解説はこのイメージセンサーについてのお話をしています。
このイメージセンサーはカメラによって大きさが異なります。
センサーが大きいと光を受光する面積が広いので、高画質になります。その分カメラのお値段もお高めです。
イメージセンサーが大きいと
- カメラ本体も重くなる
- ボケが出しやすい
- 暗所の撮影に有利(ノイズが出にくい)
- レンズも大きくて重くなる
イメージセンサーが小さいと
- カメラ本体が軽い
- ボケが出にくい
- 暗所の撮影に不利(ノイズが出やすい)
- レンズも軽量でコンパクト
といった特徴があります。
イメージセンサーが大きくなればなるほど写りが良くなる一方で、
交換レンズも高くなるのでカメラ総額が結構かかります。
このイメージセンサーはカメラの心臓部とも呼ばれ、絶対に傷つけたり指で触ったりしてはいけないです。
埃がついた時はブロアーで取り除く、もしくはメーカーのサポート課でセンサークリーニングをしてもらいましょう。
フルサイズ(センサー)
昔でいう35mmフィルムのサイズのイメージセンサーです。
写真映像の業界スタンダードのセンサーサイズです。
そのため、フルサイズカメラはハイアマチュア層・プロ向けに作られています。
一般的にレンズの焦点距離(〇〇mm)はこのフルサイズという規格を基準に説明されることが多いです。他にも「フルフレーム」「35mm版」と言われたりします。
このクラスのカメラになると25万円以上するものが増えてきます。
APS-Cセンサー(えーぴーえすしーセンサー)
フルサイズよりも少し小さいサイズのイメージセンサーです。
エントリーモデルからミドルモデルのカメラに使われます。
カメラの値段もフルサイズより安く、10万〜20万円で買えるものが多いです。
フルサイズカメラに比べて軽量コンパクトなので機動力に長けています。
また、画像1枚のデータ容量もフルサイズより小さくなるので、
連写性能に優れた機種も多いです。レンズ焦点距離をフルサイズ換算するときは×1.5倍します。
(例)APS-C用の50mmレンズはフルサイズ換算すると、
50mm × 1.5 = 75mm
そのため、実質的なレンズの画角は75mmになります。(「フルサイズ換算で75mm相当」と表記します。)
マイクロフォーサーズ(センサー)
フルサイズの約4分の1の大きさのイメージセンサーです。
センサーサイズを比べるとフルサイズ>APS-C>マイクロフォーサーズ。
レンズ焦点距離をフルサイズ換算するときは×2倍します。
(例)マイクロフォーサーズ用の50mmレンズをフルサイズ換算すると、
50mm × 2 = 100mm
そのため、実質的なレンズの画角は100mmになります。(「フルサイズ換算で100mm相当」と表記します。)
交換レンズの種類の豊富さと良心的な価格が魅力のカメラです。
焦点距離がフルサイズの半分になるので、レンズがとてもコンパクトにできる特徴があります。
フルサイズだと大きすぎて手持ちができないレンズもマイクロフォーサーズのレンズなら片手で持てるサイズで開発できてしまいます。
1インチ(センサー)
交換レンズ式でないコンパクトデジカメ(コンデジ)によく使われるセンサーのことです。
マイクロフォーサーズよりもさらに小さいセンサーです。
カメラとレンズが一体になっているものがほとんどで、ポケットに入る大きさを実現しているものが多いです。
安価な価格のものが多いため、10万以下で購入できるものもあります。
レンズマウント
カメラメーカー毎に決められたレンズを取り付ける部分の規格のことを指します。
例えば同じセンサーサイズのカメラでもCanonとSonyとNikonとでレンズマウントのサイズが異なります。
レンズマウントは一眼レフとミラーレスでも規格が違うので、同じメーカーだから何でも使えるわけではないので注意。マウントアダプターを付けると、異なるマウントのレンズでも取り付けられる場合があります。
よって、レンズを買うときは「何マウントに対応しているレンズか」を確認することが重要です。
(例)筆者がNikonを使っているので、具体例を出すと
- 一眼レフのレンズ(Fマウント)→ NikonのFマウントカメラに装着可能
- ミラーレスのレンズ(Zマウント)→ NikonのZマウントカメラに装着可能
- 一眼レフのレンズ(Fマウント)→ マウントアダプターを付けることでNikonのZマウントカメラに装着可能
- ミラーレスのレンズ(Zマウント)→ マウントアダプターがないのでNikonのFマウントカメラには装着不可能
※Nikonを例にしましたが、どのメーカーも基本同じです。
マウントアダプターがあれば使えるものもありますが、基本はマウントにあったレンズのみ使用可能となります。
焦点距離
レンズの中心から像を結ぶ焦点までの物理的な距離のことを指します。
基本的にカメラでは像を結ぶの位置にイメージセンサーがあるので、焦点距離はレンズの中心からイメージセンサーまでの距離になります。
レンズに〇〇mmと記載されている部分が焦点距離に該当します。
この焦点距離が異なると、同じ被写体を目の前にしたときに撮影できる写真が変わります。
焦点距離ごとにどんな写真が撮れるかについては
広角レンズ
標準レンズ
望遠レンズ
で解説をしています。
明るいレンズ
開放F値が2.8以下のレンズのことを指します。
レンズが明るいと
- 写真がボケる
- 暗所撮影に有利(ISO感度を抑えられる)
といった特徴があります。基本的に単焦点レンズは明るいレンズが多いです。
星の撮影やボケを使った表現をしたい時に必要なレンズになります。
明るいレンズを使うと下のような星景写真が撮れます。
レンズ焦点距離14mm,f2.8で撮影
特に星を撮影したい場合はこの明るいレンズが必須です。
星を撮影したい方はこちらの記事でレンズの選び方を解説しているのでご覧ください。
単焦点レンズ
画角が固定されたレンズのことを指します。
ズームができないので、被写体との距離を調節したい場合は撮影者が移動する必要があります。
単焦点レンズは
- 軽量でコンパクトなものが多い
- ズームレンズに比べて写りがいいものが多い
- お手頃な価格のものから一級品のものまで幅広い種類がある
- 明るいレンズが多い
といった特徴があります。
【関連記事】単焦点レンズの選び方についての解説はこちら
【関連記事】単焦点レンズの使い方についての解説はこちら
ズームレンズ
レンズ本体を回すことで画角を変えられるレンズを指します。
撮影者が動かなくてもズームすることで被写体との距離を調節できる点は単焦点レンズに比べて有利です。
一方で単焦点レンズに比べて、開放F値が大きい(暗い)ものが多く、望遠側にズームするにつれてF値が大きくなるのが一般的です。
そうした中、開放F値2.8通し(ズーム全域でF2.8が使える)の大三元ズームレンズと呼ばれるプロ仕様のレンズもあります。
一般的にレンズの話で「大三元レンズ」とあった場合は、開放F値2.8通しのレンズについて言及しています。
※開放F値4.0通し(ズーム全域でF4が使える)のレンズは「小三元レンズ」と呼ばれます。
広角レンズ
フルサイズ換算で35mmまでの焦点距離のレンズを指します。
また、その中でも20mm以下のレンズは超広角レンズに分類されます。数値が小さくなればなるほど超広角になります。
下の写真のように写真の情報量を多くして、迫力のある構図が作りやすいです。
レンズ焦点距離20mm,f10で撮影
広角レンズは画面を広く写せる一方で、写っている被写体が小さくなる特徴があります。
最初は広角の広さをイメージしにくいと思います。
慣れるまでは「スマホのカメラ画角(28mm)より広いかどうか」を想像してみてください。
標準レンズ
フルサイズ換算で50mm前後の焦点距離のレンズを指します。
人間の視野が約40mmです。基本の画角と言われていることから、スナップやポートレート、物撮りなど幅広い分野で撮影できる汎用性の高いレンズです。
カメラを始めたての頃は
50mmよりも広く撮りたい→広角レンズ
50mmよりも狭く撮りたい→望遠レンズ
という基準を設けておくと画角の使い分けに慣れると思います。
下の作例は50mmで撮影しました。標準レンズは旅行でも使いやすく重宝します。背景整理もしやすいので、最初は標準レンズで画角の特徴を感覚的に掴みましょう。
望遠レンズ
フルサイズ換算で70mm以上の焦点距離のレンズを指します。
- 70mm〜135mmを中望遠
- 135mm〜200mmを望遠
- 200mmより上になると超望遠
と呼ばれます。
望遠レンズは遠くにある被写体を大きく写すことができます。
また、望遠になるほど被写体間の距離が縮まって見える圧縮効果が生み出せることも特徴です。
下の作例は200mmで撮影しました。前景と背景がギュッと詰まって、彼岸花が咲き乱れているような印象を作り出しています。
望遠レンズはこのような圧縮効果を狙って被写体を印象的に見せることができる特徴を持っています。
マクロレンズ
一般的なレンズに対して被写体を大きく撮影できるレンズのことを指します。
通常のレンズは実際の被写体の大きさよりも小さいサイズでイメージセンサーに写る一方で、
マクロレンズは被写体の大きさと同じサイズで撮影できる特徴があります。(等倍撮影といいます。)
最短撮影距離を確認することで、そのレンズがどこまで拡大して撮影できるのかが分かります。
レンズ焦点距離105mm,f3.5で撮影
撮影する時に覚えておきたいカメラ・写真基本用語
開放F値
そのレンズの一番小さいF値のことを指します。F値が小さくなるほど明るくなります。
レンズの商品名は必ず開放F値が表記されます。
ズームレンズでズームをすることで開放F値が変化するものは開放F値が2つ書かれています。
(例)24-200mm F4-6.3のズームレンズの場合
広角(24mm)側の開放F値はF4になり、
望遠(200mm)側の開放F値はF6.3になります。
(例)24−70 F2.8のズームレンズの場合
広角(24mm)側〜望遠側(70mm)間の
全ての焦点距離の開放F値がF2.8になります。
周辺減光(周辺光量落ち)
写真の四隅が光量不足で暗くなってしまう現象のことを指します。
一般的には画面の四隅が暗くなってしまうのであまり良しとされません。広角レンズに起こりやすいです。四隅が暗くなった時は画像処理ソフトで周辺光量を補正することで写真全体の明るさを均一に保つことができます。品質の高いレンズになるほど周辺光量落ちを抑える設計がされている場合が多いです。
最短撮影距離
カメラの距離基準マークから被写体に近づけられる最短距離のことです。
レンズによって被写体に近づける距離が決まっています。
したがって、最短撮影距離より被写体に近づくとピントが合わなくなります。
最短撮影距離は同じ焦点距離でもレンズによって異なります。
レンズの先端から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)のことではないです。間違いやすいので気をつけてください。
露出
レンズからイメージセンサーに入る光量のことを指します。もっと簡単に言うと写真の明るさです。
写真の露出は絞り(F値)・シャッター速度(シャッタースピード)・ISO感度の3つで決まります。また、撮影に合わせた最適な露出のことを適正露出といいます。
露出補正
カメラ側で出した適正露出を、自身の撮影目的に合わせて意図的に補正することを指します。
補正には露出アンダー側と露出オーバー側の2種類があります。カメラ側で出た適正露出より暗くしたければ露出をマイナス(ー)に、明るくしたければプラス(+)にして調整をします。
絞り(F値)
露出を決める要素のひとつで、レンズを通る光の量を調整する部分のことを指します。レンズの中にある絞り羽根で調節をしています。絞りはF値で表します。F値が低ければ低いほど明るくなります。
F4以下になると徐々にボケ始め、反対にF5.6以上になるとパンフォーカス(ボケないで全体にピントが合っている状態)になります。
基本的にレンズは絞るとレンズ本来の解像力を出すことができるので、風景写真はF8程度に絞り込んで撮影することが多いです。
絞ることで手前から奥までのビル全体にピントがあっている状態を作りました。
レンズ焦点距離40mm,f10で撮影
絞ることでより建築物の細部が解像していることも分かります。
シャッター速度(シャッタースピード)
露出を決める要素のひとつで、シャッターが開いている時間のことを指します。
1秒を基準に1/2秒、1/4秒、1/8秒…1/8000秒と表記されます。
シャッタースピードの主な役割としては
- 被写体ブレをなくす
- 光量を調整する
の2つです。
被写体の動くスピードよりも早いシャッタースピードで撮影することでブレることなく被写体を撮影することができます。
また、光量が多い場所でF値を変えられない場合はシャッタースピードを上げて露出を調節したりする場合があります。
シャッタースピードを駆使するとさまざまな表現が可能です。
下の写真は三脚を使用し、シャッタースピードを数十秒開いて夜景を撮影したものです。車のテールランプが光の軌跡として写っています。
シャッタースピードをあえて遅くして被写体をぶれさせる表現も楽しいので試してみてください。
ISO感度(いそ感度/あいえすおー感度)
レンズから入ってきた光をイメージセンサーで増幅させる機能のことを指します。基本的にカメラはISO100から使えるようになっています。
したがって、絞りとシャッター速度(シャッタースピード)を設定した時に、それでも光量が不足している(写真が暗すぎる)場合、ISO感度を上げることで適正露出を保つことができます。
ISO感度を2倍にすると、光量は2倍になります。ただし、ISO感度はイメージセンサーで(ある意味無理に)増幅させているので、感度を上げるほどノイズが出てしまい画質が下がります。
ISO感度は明るさを補うのに便利な一方で、上げ過ぎると画質が低下するということを覚えておきましょう。
カメラごとに常用ISO感度(実用可能なISO感度の範囲)が決められています。
(例)常用ISO感度100〜51200
この場合、ISO100〜51200までは常用ISO感度として使えます。
(実際は常用ISO感度上限付近になるとノイズが強く画質がそれなりに下がります。)
次の写真はISO32000で車の助手席から撮影した夜の街の写真です。
カメラによってはISO32000という高ISOでも許容範囲になります。
常用ISO感度内で自分にとって実用的なISO感度値を知っておくと良いでしょう。
ホワイトバランス(WB)
光源の色味のことを指し、色温度と言われることもあります。
光は朝日の色、夕日の色、曇りの色全て異なります。ホワイトバランスはそれらの光をK(ケルビン)という単位で数値化します。
こうした光の色味が異なる時に「本来白い部分を白として写すのに最適な色味」に調整することがホワイトバランスの基本的な役割です。
近年のカメラは性能が良くなっているので、オートホワイトバランスで撮影できる場合が多いです。
また、本来は白く写すためのホワイトバランスですが、あえて色温度を変えることで雰囲気を出す表現手法もあります。
調整次第ではこんな表現も可能です。
上の写真は夕方に撮影したものですが、水面と空の色に統一感を出したかったので、ホワイトバランスをあえて青目に編集しました。実際の空はオレンジとグレーが混ざったような色味でした。
撮影モード(M・A・S・Pモード)
カメラの撮影スタイルのことで、基本的にどの一眼カメラもM・A・S・Pの4種類のモードがあります。
- M(マニュアル)モード → 絞りとシャッタースピードを撮影者が全て設定するモードです。露出を全て自分で決めたい時はこのモードを使いましょう。
- A(絞り優先)モード →絞りは撮影者が設定し、シャッタスピードはカメラが適正露出に合わせて設定するモードのことです。三脚を据えて長秒露光をする際に便利です。
- S(シャッター優先)モード →シャッタスピードを撮影者が設定し、絞りはカメラが適正露出に合わせて設定するモードのことです。スナップ撮影など一瞬を逃しなくない時の撮影に便利です。
- P(プログラム)モード →絞りとシャッタスピードをカメラが設定するモードです。カメラが適正露出を出してくれるので、それを基準に絞りとシャッタースピードを調節することも可能です。写真始めたてはこのモードが使いやすいです。
測光モード
被写体の明るさを測るモードのことです。カメラはこの測光をしている部分を基準に露出を決めています。
全部で3つあります。
- マルチパターン測光 →画面全体の明るさを測ります。
- 中央重点測光 →画面中心の明るさを測ります。
- スポット測光 →ピントを合わせた部分の明るさを測ります。
写真の始めたては適切な明るさの写真を撮ることが大切なので、基本的にマルチパターン測光で大丈夫です。
記録画質
写真を記録する時の画像形式を指します。大まかにRAW(ろー)とJPEG(じぇーぺぐ)に分かれます。
- RAW → 圧縮していないファイル形式です。この形式で撮影しておくとPCの画像処理ソフトで色や明るさの調整ができます。自分好みの写真に編集したい人はこちらの形式で記録することをおすすめします。
- JPEG →撮影時に圧縮されたファイル形式です。色や明るさの情報をカメラ内部で圧縮しているので、PCの画像処理ソフトでの編集はあまりできません。撮影した時点で写真を完成させたい場合のおすすめ記録方式です。写真の色味はカメラメーカーに依存します。
RAWで撮影すると、有償の画像編集ソフトで自分好みの写真に仕上げることができます。
下の写真はRAWで撮影したあとに画像編集ソフトで現像とレタッチ(補正)をしたものです。分かりやすくするために左側が補正前、右側が補正後の画像にしました。
補正前に比べて、補正後は天の川がよく見えるようにに仕上げることができました。RAWで撮影すると自分の表現の幅が拡がるので写真の楽しさがもう一段階上がります。
SNSでバズっているフォトグラファーの写真撮影はほとんどがRAWで撮影されています。RAW撮影はそのカメラのポテンシャルを最大限に発揮することができるので、撮影に慣れてきたら挑戦してみてください。
ピクチャースタイル
カメラメーカーが用意した各シチュエーションごとの色味調整をするフィルターです。撮影モードとは別で設定します。
撮影前に風景・ポートレート・ハイキー・ローキーなど雰囲気に合わせた設定をしてから撮影をします。
アスペクト比
写真の縦横比のことです。多くのカメラが初期設定で3:2になっています。
撮影用途に合わせて1:1、4:3や16:9の比率にすることもできます。画像編集ソフトでアスペクト比を変えてトリミングすることもできますが、画角が変わってしまうためなるべく撮影時に比率は決めておきましょう。
AF(オートフォーカス)
カメラが自動でピントを合わせてくれる機能のことです。
反対に自分でピントを合わせることをMF(マニュアルフォーカス)と呼びます。
AF方式
オートフォーカスの種類ことです。3種類あります。
- AFーS →シャッターボタンを半押しした時、もしくはAF-ONボタンを押した時にピントが合う方式です。建築物や料理など止まっているものを撮影する場合に有効です。
- AFーC →シャッターボタンを半押ししている、もしくはAF-ONボタンを押している間、被写体を追従してくれるAF方式です。動く被写体にピントを合わせ続けて撮影する場合に有効な方式です。
- AFーF →動画にあるAF方式で、ピントを合わせたものを常に合わせ続けます。AF-Cと異なり、シャッターボタンを半押ししていなくてもピントを合わせ続けます。人の顔など動き続けるものに常にピントを合わせたい時に有効です。
手ぶれ補正
シャッターボタンを押した時のカメラ本体のブレを抑える補正機能のことです。カタログスペックには「◯段手ぶれ補正」という形で表記されることが多いです。ハイエンドなカメラやレンズになればなるほど手ぶれ補正機能が充実する傾向があります。
ドライブモード
シャッターを切る方式のことです。1枚(コマ)だけ撮るのか、連続で撮るのか、用途に合わせて選びます。主に4種類のモードがあります。
- 1コマ撮影
- 連続撮影
- セルフタイマー撮影
- インターバルタイマー撮影
→写真を1枚だけ撮影します。一般的な撮影はこのモードです。
→写真を連続で撮影します。カメラのスペックによって一度に連続で撮影できる枚数は変わります。
→シャッターを切るまでの時間を設定できるモードです。レリーズなしで三脚にカメラを置いて撮影するときに活用できます。
→シャッター間隔を開けて連続撮影する方式です。タイムラプス撮影をする際によく使われる方式です。
YouTubeで私が撮影した星空タイムラプスの映像を公開しています
・1分で見れる天の川の映像
インターバルタイマー撮影で何が撮れるか知りたい方はこちらをご覧ください。
順光
カメラが向いている方向と同じ方向に光が入っている状態のことを指します。
したがって、被写体の正面に光が当たっていることになります。影が出ない分、被写体の色を素直に出すことができるので、被写体全体をはっきり写したい時に効果的です。
これは紅葉の彩りを順光で撮影した写真です。紅葉全体に光が当たって、鮮やかな発色に仕上がりました。
サイド光
カメラが向いている方向に対して横から光が差し込んでいる状態のことを指します。
被写体の横から光が当たっているので、光が当たっている部分と影になる部分が出てきます。光と影が写りやすいので被写体の立体感を表現したい時に効果的です。
下の写真は右から左方向に光が差し込んでいます。斜めに置いたクロワッサンの表面に横から光が当たって、焼き色のグラデーションが出るようにしてます。
逆光
カメラが向いている方向と反対方向に光が差し込んでいる状態のことを指します。
被写体の後ろ部分に光が当たるので被写体の前には影が出てきます。明暗差が激しくなる一方で、上手く活用するとエモーショナルな写真ができあがります。
半逆光
カメラが向いている方向に対して手前斜め45度から光が差し込んでいる状態のことを指します。
被写体の斜め後ろから光が当たっているので、光と影のバランスがよく、被写体のディテールを表現したい時に効果的です。
下の写真は左斜めから差し込む自然光を活用して、葡萄のつやを表現しました。
光と影のバランスを見ながら撮影することがポイントです。
構図
写真を綺麗に見せたり、効果的に見せたりするための手法を指します。構図を上手く活用することで写真の意図や雰囲気をより伝えやすくなります。
最初のうちは被写体を画面の真ん中に置く「日の丸構図」で写真を撮ってみましょう。シンプルですっきりした印象の写真になります。
日の丸構図は花の写真と相性がよく、バランスが取りやすいです。観光地に行かなくても、近所の公園で撮ることができます。
ポジション
カメラの位置のことを指します。高い位置からカメラで撮影する場合はハイポジション、反対に低い位置からカメラで撮影する場合はローポジションと言います。カメラの角度のことを指す「アングル」と勘違いされる場合があるのでどちらの意味合いかを確認しましょう。
アングル
カメラの角度のことを指します。上から下へ俯瞰したアングルのことをハイアングル、下から上へ煽ったアングルのことをローアングルと言います。ポジションとよく勘違いされるので、アングルとポジションの意味の差を確認しましょう。
手ぶれ
シャッターを切った際に振動でカメラが動いてしまって写真全体がブレてしまうことを指します。
手ぶれしやすいパターンはおおまかに2つです。
・1/レンズの焦点距離 よりも低いシャッタースピードで撮影をする。
(例)焦点距離50mmのレンズを使って1/30のシャッタースピードで撮影をすると手ぶれしやすい。
※あくまでも目安の話です。
・高画素のカメラを使用する(カメラが高画素になればなるほど手ぶれしやすくなる)
被写体ブレ
写真全体は手ぶれしていなくても、被写体だけぶれてしまう写真のことを指します。
シャッタースピードよりも被写体の動くスピードが早い場合に起こります。対策はシャッタースピードを速くすることです。
シャッタースピードの目安は
- 屋外であれば1/500以上(車や人がブレずに撮影できる)
- 屋内であれば1/250以上(照明器具の光量不足でISO感度が上がりすぎないようにするため)
になります。状況によって使い分けをしましょう。
ちなみに、被写体ブレをうまく活用すると面白い写真を撮ることもできます。
下の写真はあえてシャッタースピードを1/15にして、走行中のゆりかもめの中から撮影して線路の躍動感を表現しました。
シャッタースピードの特性を理解すると表現の幅がグッと広がります。
フレア
レンズやカメラの中で反射した光が写真に写り込み、白っぽくぼやけたり、解像度が下がったりする現象のことです。
写真表現として、あえてフレアを入れる場合もあります。
こちらはフレアとゴーストが入った失敗写真の作例です。
太陽光が画面全体にかかってしまって、写真が白っぽくなっています。
こういった写真にならないためには撮影時に気を付けるポイントがあります。
フレアの対策は以下のとおりです。
- レンズフードをつけて撮影をする
- 太陽を画面の中に入れた逆光撮影を避ける
- 高いレンズを使う
- 広角レンズでの撮影を避ける
画角が広角になるほどフレアとゴーストは発生しやすいです。
風景撮影で広角レンズを使用する際はレンズフードをつけて斜めからの不要な光を遮って撮影しましょう。
ゴースト
レンズやカメラの中で反射した光が青や緑の楕円形になって写真の中に写り込む現象のことです。
強い光源が直接入るような撮影や、逆光での撮影、レンズフィルターを重ね付けることで起きやすいです。高品質なレンズになるとゴーストを抑える設計がされていたりします。
ゴーストの対策は以下のとおりです。
- レンズフードをつけて撮影をする
- 太陽を画面の中に入れた逆光撮影を避ける
- 高いレンズを使う
- レンズフィルターを外して撮影する
ゴーストに関してもフレアと同様の対策が有効です。
品質の高いレンズを使うと逆光耐性があるので発生しにくくなります。
Photoshopなどの画像編集ソフトで後から修正するのは大変なので、撮影時になるべく出さないように対策しましょう。
おわりに
ここまでカメラ・レンズ・撮影に関しての基本的な用語をまとめました。
細かく書くともっと用語はあるのですが、ここに記載した用語を押さえていれば基本的な撮影はできます。
一度に用語を覚えようとすると、挫折してしまうので「分からなくなったたびに用語を覚える」くらいのスタンスで大丈夫です。
カメラ・写真は楽しく続けることが大切です。思い切り楽しんでくださいね。
最後まで読んでくださりありがとうございました。